Z50IIはUHS-II対応。だからといって全員にV90が必要なわけではない
Z50IIのSDカード選びは「対応する最高規格」ではなく、「実際に何を撮るか」から逆算する方が分かりやすいです。
Z50IIのカードスロットは1基で、SD / SDHC / SDXCに対応しています。UHS-Iに加えてUHS-IIにも対応しました。旧Z50はUHS-Iまでだったため、カード周りではここが大きな違いです。
UHS-IIの恩恵が分かりやすいのは、RAW連写を繰り返す撮影や、高速なカードを指定されるC15 / C30、4K 60pなどです。一方、写真の単写や4K 30pまでが中心なら、UHS-Iでも十分候補に入ります。「Z50IIはUHS-II対応だから、必ずUHS-IIを買う」というより、撮り方に合わせて選ぶ方が無駄がありません。
RAWは14bit。ロスレスRAWはNikon試験条件で約24.4MB
Z50IIは23.5×15.7mmのDXフォーマットCMOSセンサーを搭載し、有効画素数は2088万画素です。画像処理エンジンにはEXPEED 7を採用しています。RAWは14bitで、次の3方式があります。
JPEG FINEのLは約10.0MBです。単写中心なら、常に大容量データを連続して書き込み続けるわけではありません。写真中心で長い連写を多用しないなら、UHS-IのU3 / V30帯は現実的な候補です。
RAW連写は最大約11コマ/秒。速いカードはバッファ復帰で効いてくる
高速連続撮影(拡張)でRAWを含む画質モードを使う場合、Nikon公式値はメカニカルシャッターで約11コマ/秒です。電子先幕では約10コマ/秒、サイレントモードでは約8.9コマ/秒となります。
一方、「約15コマ/秒」という数字もありますが、これは高速連続撮影(拡張)でJPEGを使い、サイレントモードにした場合の値です。RAWで15コマ/秒という意味ではありません。
Nikonの試験では、ロスレス圧縮RAWと高効率★RAWで200コマ以上の連続撮影可能枚数が示されています。ただし、連続撮影可能枚数はカードの種類や撮影条件によって変わります。活用ガイドでも、カード性能や撮影条件によってアクセスランプが数十秒から1分程度点灯する場合があり、バッファ残量表示が「r000」の間は連続撮影速度が低下すると説明されています。
RAW連写では、カード速度が公称の連写fpsそのものを引き上げるというより、撮影したデータをカードへ書き出し、次の連写へ戻るまでの時間に影響します。スポーツや野鳥などで長いバーストを繰り返すなら、Media MatchではUHS-IIのV60 / V90帯を優先候補にします。特に復帰時間を重視するならV90帯まで検討する価値があります。
C30は約30コマ/秒。ただしRAWではありません
Z50IIにはハイスピードフレームキャプチャー+があり、C15では約15コマ/秒、C30では約30コマ/秒で撮影できます。プリキャプチャーにも対応し、シャッターボタンを全押しする最大1秒前までさかのぼって記録できます。
ただし、C15 / C30は通常のRAW連写とは別のモードです。
| C15 / C30の条件 | 内容 |
|---|---|
| 画質モード | NORMAL固定 |
| 記録形式 | JPEG |
| 画像サイズ | L固定 |
| シャッタースピード | 1/4000~1/60秒 |
そのため、「Z50IIはRAWで30コマ/秒」とは言えません。プリキャプチャーもC15 / C30の機能なので、RAWプリキャプチャーではありません。
カードについてNikonは、ハイスピードフレームキャプチャー+でUHSスピードクラス3以上、かつ最大250MB/s以上の転送速度を持つSDカードを推奨しています。この用途ではMedia MatchとしてUHS-IIを優先し、V60 / V90帯を候補にします。ただし、V60やV90というロゴだけを見てNikon公式の推奨条件を満たすとは判断しません。
動画は4K30と4K60でカード条件が変わる
Z50IIは4K UHD 60p / 50p / 30p / 25p / 24p、Full HD 120p / 100pなどに対応しています。動画記録形式はH.265 10-bit、H.265 8-bit、H.264 8-bit。N-LogとHLGはH.265 10-bit(MOV)で利用できます。
| 記録モード | H.265 10-bit | H.265 8-bit | H.264 8-bit |
|---|---|---|---|
| 4K 60p / 50p | 約340Mbps | 約300Mbps | 非対応 |
| 4K 30p / 25p / 24p | 約190Mbps | 約150Mbps | 非対応 |
| Full HD 120p / 100p | 約190Mbps | 約150Mbps | 非対応 |
| Full HD 60p / 50p | 約100Mbps | 約80Mbps | 約50Mbps |
| Full HD 30p / 25p / 24p | 約50Mbps | 約40Mbps | 約30Mbps |
4K 30pでは、5.6K相当のセンサーによるオーバーサンプリングに対応します。4K 60p / 50pでは撮像範囲が変わり、通常のDXフォーマット動画に対して約1.5倍に相当する画角になります。電子手ブレ補正もOFF固定です。
4K 30pはU3以上
Nikonサポートでは、4K 30pを含む4K動画、Full HD 120p / 100p、Full HDスローについて、UHSスピードクラス3以上のカードを推奨しています。そのためMedia Matchでは、4K 30pまでならU3表記のあるV30帯を基本候補にします。N-Log 10-bitだから特別にV60やV90が必要になるわけではありません。N-LogはH.265 10-bitの階調モードなので、カード要件は解像度とフレームレート側で考えます。
4K 60p / 50pは「U3 + 最大250MB/s以上」
4K 60p / 50pでは条件が一段上がります。Nikon公式の推奨は、UHSスピードクラス3以上、かつ最大250MB/s以上の転送速度を持つカードです。ここでも「4K60だからV60必須」「V90なら公式条件を満たす」とは言えません。
Media MatchではUHS-IIのV60 / V90帯を探しやすい候補としますが、最終的にはU3表記と、カードメーカーが示す最大転送速度を個別に確認します。