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未来の物語だったSAOが、少しずつ他人事ではなくなってきた。

『ソードアート・オンライン』を原作小説の頃から追ってきた一人として、 最初に出会ったときのこと、アニメ化で感じたこと、そして長く作品を追う中で考えるようになったことを書いてみます。

作品:ソードアート・オンラインAnime Match スタッフ個人的な感想を含みます

私が『ソードアート・オンライン』に最初に触れたのは、まだアニメになるずっと前でした。 当時、ライトノベル系のランキングか何かで名前を見かけたのがきっかけだったと記憶しています。 そこにもう一つ、かなり個人的な理由がありました。イラストを担当していたabecさんの絵が好きだったことです。 以前から別名義で手がけていた『薔薇のマリア』のイラストが好きで、それなら読んでみよう、と思って手に取ったのが始まりでした。

それが、あとから振り返れば「自分の人生を変えた一冊」と呼びたくなる作品になるとは、そのときは思っていませんでした。

最初の1巻には、「こんな未来が来るのかもしれない」というワクワクがあった

最初に読んだSAOは、1巻だけでも一本の物語として非常にまとまりがよかった。 仮想世界に完全に入り込んで遊ぶゲーム、その中で起きるデスゲーム。 今となってはVRを題材にした作品そのものは珍しくありませんが、当時の私は「本当にいつかこんな未来が来るのかもしれない」と素直にワクワクしました。

設定の面白さだけではなく、その世界で人がどう生きるのか、ゲームの中で築かれる関係がどこまで現実と同じ意味を持つのか。 そういうことまで含めて、単なる"ゲームの中の冒険"ではないものを感じたのを覚えています。

続編が増え、物語は想像していたよりずっと遠くまで進んでいった

その後、SAOにはどんどん続編が出ました。 舞台もテーマも広がっていき、その中でも私にとって特に印象深いのが、第4章にあたるアリシゼーションです。

とにかく物量が大きい。物語のスケールも、それまでとは一段違う。 一つの世界があり、その中で人々が暮らし、文化があり、歴史が積み重なっている。 長い物語だからこそ描けるものに圧倒されました。

だからこそ、2012年にアニメ化が発表されたときは嬉しい反面、「これ、一生アリシゼーションまでは行かないだろうな」と思っていました。 それが実際にはそんなこともなく、SAOは10年以上続く巨大なコンテンツになりました。

アニメ化は、SAOをまったく別の規模の作品にしたと思う

原作の時点ですでに人気作品ではありましたが、SAOという名前がここまで広く知られるようになったのは、 やはりアニメ化の影響がとても大きかったと思っています。

その後、SAOを思わせるVRゲームやデスゲームを題材にした作品をたくさん見かけるようになりました。 映画、ゲームをはじめとしたメディアミックスも広がり、気づけば「一つのライトノベル作品」という枠では収まらない存在になっていました。

ただ、原作から入った自分にとって、最初のアニメ版には少し違和感もありました。 原作イラストの鋭さのあるテイストが好きだったので、アニメのやわらかな描き方を見たときは、正直かなり印象が違った。

それでも見続けるうちに、その違和感はどんどん小さくなっていきました。 美麗な画面、音楽、そして何より動くことで初めて伝わる戦闘の気持ちよさ。 アニメにはアニメのSAOがあると思えるようになりました。

剣戟を"動き"で見られたことは、やっぱり大きかった

SAOといえば、ソードスキルを中心にした激しい剣戟を思い浮かべる人も多いと思います。 原作を読んで頭の中で想像していたものが、映像として実際に動く。 これはやっぱりアニメ化で得られた大きな魅力でした。

特に印象に残っているのが、グリームアイズ戦やヒースクリフ戦です。 あのスピード感や連続する攻防を映像で見たとき、「これを動画で見られてよかった」と素直に思いました。

文章と挿絵から想像していた世界が、音楽と色と動きを持って目の前に現れる。 原作を先に知っていたからこそ、その感動は強かった気がします。

長く追ったからこそ、SAOのテーマが少しずつ現実に近づいてきた

SAOは長く続いている作品です。 そして、話が進むにつれて扱うテーマも少しずつ変わっていきます。

特にアリシゼーションまで来ると、人の営みや文化がどう生まれ、どう移り変わるのか、 その中で人はどう生きるのか、といったところまで物語の射程が広がっていきます。

かつて「遠い未来の話」に感じていたSAOが、いまは以前ほど遠いものに感じなくなりました。

AIやVRをはじめ、技術はものすごい速度で進んでいます。 数年前まで当たり前だった働き方やコミュニケーションの形が変わり、 私たち自身も新しい技術に合わせて生き方を変えることを求められる。

SAOを長い時間追っていると、作品の中で描かれてきた「技術と人間の距離」というものを、 どこか他人事ではなく考えるようになりました。 作品を読み始めた頃の私は、ただ「こんな未来が来たら面白そうだ」と思っていたはずです。 それが10年以上経った今では、「その未来で人はどう生きるんだろう」という問いの方が身近になっている。

そんなふうに、自分自身の時間の経過と一緒に作品の見え方まで変わっていったことも、 SAOを長く追っていてよかったと思う理由の一つです。

最近は少し離れている。それでも、私にとって特別な一作

正直に言えば、最近の私はSAOをすべて追えているわけではありません。 劇場版など、まだ見終えていないものもあります。

それでも、SAOが自分にとって特別な作品であることは変わりません。 原作を初めて読んだ頃のワクワクも、アニメで剣戟を見たときの感動も、 アリシゼーションまで長く物語を追って考えたことも、全部ひっくるめて残っています。

いまも新しいコンテンツが作られ続けています。 もしまだ一度もSAOに触れたことがないなら、古い作品だからと構えず、一度見てみてほしい。 いま見るからこそ感じることも、きっとある作品だと思います。

こんな人には、特におすすめしたい

  • VRや仮想世界をテーマにした物語が好き
  • スピード感のある剣戟やアクションを楽しみたい
  • 一つのシリーズを長く追いながら、世界やテーマの変化も楽しみたい
  • 技術の進歩と人間の暮らし、その距離感を考える作品が好き
※この記事は作品の網羅的な解説ではなく、実際に原作・アニメを追ってきたスタッフ個人の体験と感想を中心に書いています。最近のシリーズについては未視聴の内容もあります。
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